ビジネス電話環境の構築を検討している中小企業の方へ。ここでは、クラウドPBXのメリット・デメリットについてご紹介します。
クラウドPBXとは、オフィス内にPBXを設置せず、クラウド上に用意されたPBXを利用するシステムのことです。近年、働き方改革やテレワークの普及により、オフィスへの入電を在宅時や外出時に受けられるクラウドPBXのニーズが高まっています。
クラウドPBXのメリットは、以下の通りです。
クラウドPBXは、コストや拡張、連携などの面で柔軟性が高いのが特徴です。特に、外出先でも内線・外線・転送機能を利用できる点は、従来型のPBXにはない大きなメリットと言えるでしょう。
一方で、クラウドPBXには以下のようなデメリットもあります。
クラウドPBXは、利用人数やアカウント数によって月額料金がかかります。また、従来の電話回線を利用していないため、「ノイズが入る」「通話が途切れる」「ハウリングする」など音質が悪い場合もあります。
料金や音質はメーカーによって異なるため、導入前にしっかりとメーカーに問い合わせ、音質のチェックを行いましょう。
利用するクラウドPBXによっては、市外局番を引き継げない、回数に制限がある、緊急発信ができない場合もあるので、選ぶ際に注意してください。
クラウドPBXを導入する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
ビジネスフォンに必要なさまざまな機能を備えているクラウドPBX。
異なる場所にあるオフィスや、スマートフォン・タブレット・PCをつなげて内線機能や電話の取次ぎなどを行うこともできるため、拠点を複数持っている企業や外回りが多い企業、テレワークなどの多様な働き方を導入したい企業などに特におすすめです。
導入時の大規模な工事などもなく、コストを抑えて導入できるため、スタートアップ企業や起業したばかりの企業でも多く導入されています。
リモートワークやテレワークを行う従業員が多い企業に適しています。どこからでも会社の電話番号で発着信が可能なため、従業員は自宅や外出先でもオフィスと同じように業務を行えます。
複数のオフィスや拠点を持つ企業にとって、クラウドPBXは内線通話や転送機能が便利です。拠点間のコミュニケーションをスムーズに行え、管理も一元化できます。
初期費用を抑えつつ、高機能なビジネス電話システムを導入したい企業にとってもメリットがあります。物理的な設備が不要なため、導入コストが低く、スケーラビリティも高いです。
バーチャルオフィスを利用する企業は、クラウドPBXでビジネス電話番号を簡単に取得でき、信頼性を確保することにつながります。電話機が不要で、スマートフォンやPCで発着信が可能なため、柔軟な働き方が可能です。
従来のPBXシステムに比べてメンテナンスコストや通話料金が抑えられるため、運用コストの削減に貢献します。特に、長期的に見てコストパフォーマンスが高いため、予算を有効に活用したい企業におすすめです。
設定や管理が簡単で、専門的なIT知識がなくても運用が可能です。そのため、ITリソースが限られている中小企業や新興企業に適しています。
クラウドPBXは様々な企業のニーズに対応できる柔軟なソリューションです。自社の業務スタイルやビジネスニーズに合わせて最適なクラウドPBXを選ぶことが重要です。各ベンダーのサービス内容を比較し、費用対効果を考慮して導入を検討しましょう。
クラウドPBXにおいて、音質が悪いというデメリットが指摘されることがありますが、いくつかの対策を取ることで改善が可能です。
高品質なインターネット回線の使用が重要です。帯域幅が十分でない場合、音質に悪影響を及ぼすため、安定した回線を選ぶことが音質向上の鍵となります。
音声技術に優れたプロバイダーを選ぶことで、よりクリアな音声の実現も可能。これらの改善策を取り入れることで、クラウドPBXでも十分な通話品質を確保できます。
クラウドPBXのセキュリティは、企業にとって大きな懸念事項ですが、正しい対策を取ることで安全性を確保できます。
まず、データの暗号化がクラウドPBXの通信において重要です。SSL/TLSなどの暗号化プロトコルを利用することで、第三者による通信内容の盗聴を防止できます。
多要素認証(MFA)を導入することで、システムへの不正アクセスを防ぐことが可能です。さらに、クラウドPBXサービスを提供するプロバイダーが定期的なセキュリティアップデートを行っているか確認することも重要です。
これらのセキュリティ対策を施すことで、クラウドPBXの利用におけるリスクを最小限に抑え、信頼性を高めることができます。
クラウドPBXは、物理的なPBXシステムと比較して管理とメンテナンスが非常に楽な点が大きなメリットです。
専用のハードウェアを設置する必要がないため、機器の保守や修理にかかるコストや手間が削減されます。また、クラウドPBXはリモートでの管理が可能で、設定変更やアカウント追加・削除がオンラインで簡単に行えます。
プロバイダーが定期的なシステムアップデートを自動で行うため、最新の機能やセキュリティ対策が常に適用されます。
このため、ITリソースが限られている企業やメンテナンスに時間をかけたくない企業でも、手軽に運用が可能です。
クラウドPBXは、企業の特定の業務フローに合わせて高度なカスタマイズが可能な点が大きな特徴です。
顧客対応における通話ルーティングを自動化し、特定の部署や担当者に迅速に繋げる設定が可能です。また、クラウドPBXは、他のビジネスツールとのシステム連携にも優れており、CRMシステムやチャットツールとの統合が容易に行えます。これにより、通話データを顧客管理やチーム内のコミュニケーションにシームレスに活用でき、業務効率が大幅に向上します。
クラウドPBXの柔軟性は、企業の独自ニーズに応じた最適な電話システムを構築する上で、大きなメリットとなります。
クラウドPBXは、ビジネスの柔軟性を大幅に高めます。リモートワークや在宅勤務が増える現代において、オフィス外でもオフィス内と同じ機能を利用できる点は大きな利点です。
従業員はどこからでも会社の電話番号で通話を行い、重要なビジネスチャンスを逃さないようにすることができます。また、クラウドPBXは業務プロセスを効率化し、従業員の生産性向上にも寄与します。
クラウドPBXは、企業のニーズに合わせて高度なカスタマイズが可能です。各社が提供するクラウドPBXには、幅広い機能や設定オプションが用意されており、企業ごとの特有の要件に応じてシステムを調整できます。
これにより、特定の業務フローに合わせた通話ルーティングや、特定の顧客群に対する特別な応対など、企業の戦略的な要望に応えることが可能になります。
クラウドPBXは、通話データの分析と活用にも優れています。通話記録や通話パターン、顧客対応の履歴など、貴重なデータを収集・分析し、ビジネス戦略の策定や顧客サービスの改善に役立てることができます。
このデータは、顧客満足度の向上、マーケティング戦略の最適化、さらには営業プロセスの効率化に貢献します。
クラウドPBXは、その環境適応性にも優れています。新たなオフィスへの移転や拡張、縮小といったビジネス環境の変化に迅速に対応できます。
物理的なPBXシステムと異なり、クラウドPBXは地理的な制約を受けず、オフィスの移転やリモートワーク環境への対応が容易です。これにより、ビジネスの変化に柔軟に適応することが可能となります。
クラウドPBXと従来型PBXを比較すると、維持費用においてもクラウドPBXの優位性が明らかです。
従来型PBXでは、設備のメンテナンスや更新に定期的な費用がかかりますが、クラウドPBXではこれらのコストが大幅に削減されます。また、クラウドPBXは最新の技術に基づいて常にアップデートされるため、追加の投資なしに最新の機能を利用できる利点があります。
クラウドPBXのメリットとデメリットについてご紹介しました。
クラウドPBXには、導入費用を抑えてスピーディーに利用開始できる、外出先でも内線・外線・転送機能を利用できるなど、さまざまなメリットがあります。多くの企業がクラウドPBXを導入して業務効率化を実現しており、これからますます注目されるでしょう。
編集チームのおすすめは、価格や実績、音質などの「こだわり」や使いたい「機能」で選ぶこと。こちらのページでは、こだわり別に選べるPBX5選や機能別の絞り込み検索でおすすめのクラウドPBXを紹介しています。どのクラウドPBXを選べば良いか分からない!という方は、ぜひチェックしてみてください。
ここでは調査した20製品のうち、公式サイトに導入実績や実例を記載している信頼できるクラウドPBXの中から、
こだわり別におすすめのサービスを紹介します。
※2022年9月30日調査時点で、「クラウドPBX」とGoogle検索し表示されるクラウドPBX対応の会社20社のうち、導入実績や実例を公式サイトに掲載している10製品をピックアップ。そのなかで、公式HPで確認できる情報もとに以下の条件でこだわり別に各商品を選定しています。
■コスト・安さ=モバビジ(導入費用・月額費用が最も低価格だったため)
■システム連携=BIZTEL(連携できるシステム数が最も多かったため)
■導入スピード=CLOUD PHONE(導入までの日数が最も短期間だったため)
■導入実績=MOT/PBX(導入企業の社数が最も多かったため)
■音質=モバビジ(複数の機器で総務省判定基準クラスAを取得しているため)